荒川の金とヨナの金は等価か

ヨナ批判をすると、じゃあ荒川は不正をしていないのか?韓国人が金を取ったら批判で、日本人が金を取ったら賞賛するのは差別ではないか?という意見がけっこうあるので、荒川に不正があったのかどうかについても考えてみる。


100%不正がないとは断言出来ないが、荒川には不正をする根拠があまりないし、手段もほとんどない。


2006年、トリノ五輪当時、フィギュア界の二大勢力であるロシアとアメリカには、それぞれに本命選手がいた。ロシアはイリーナ・スルツカヤ。アメリカはサーシャ・コーエン。


スルツカヤは最強女王の呼び声も高く、下馬評では金メダル最有力候補。次点でコーエン。大穴で地元のコストナーぐらいの感じ。


ロシア勢、アメリカ勢ともに自国に本命選手がいるので、日本に代理戦争を頼んで、審判団も巻き込んで大々的に政治的な闘争を仕掛けるのは根拠が薄い。


また、当時の日本の本命というか、スケート連盟とマスコミが強く推していたのは安藤美姫。
ジャンプが上手く、当時のルールでのエッジの使い分けにも対応していて、ルックスが良くてテレビ映えする安藤は、業界関係者から強く支持されていた。


しかしそれが裏目に出て、スケート以外のところで引っ張り回され過ぎたために安藤は調整失敗して、体重も増えてしまい、肉体的にも精神的にも悪コンディションで本番に臨むことになり、15位と惨敗している。




2006年当時の荒川は、日本フィギュアスケート界の主流からはかなり遠い位置にあった。
年齢的にフィジカルのピークは過ぎており、テクニック的にも古いルールの世代育ちなので、最新の採点ルールでは点が伸び難かった。


荒川は経歴的には堤義明のお気に入りで、堤派のスケーターと言える。
しかし堤は失脚してしまい、スケート界への影響力を失う。
堤失脚後にフィギュア強化部長になった城田とは、荒川は険悪だったと言われている。
五輪直前にコーチを変更したり、曲を変更したりという混乱があったのは、荒川と城田の間の確執が原因という指摘は少なくない。


つまり2006年当時、経歴的に堤派である荒川は日本フィギュア界の中での立場は弱く、あまりサポートしてもらえる立場にはなかったということになる。


そういった政治的な諸事情から考えると、ロシアもアメリカも日本も、荒川を積極的にバックアップする動機は薄く、多額の資金が必要になる審判買収やマスコミの口封じを荒川単独でやれるはずもないので、動機としても手段としても、荒川は不正の可能性は低い。


まぁそれでも五輪本番直前段階で安藤がどうにも不調だから、急遽荒川に乗り換えたという可能性はないわけではないが。


しかしそこまで突っ込んで荒川に疑惑を持つのならば、ヨナの方はもっと疑惑山盛りなので、こちらをスルーするのはいかにもおかしい。




荒川とヨナのスケーティングスタイルは似ている。
どちらも大技は重視せず、滑らかで美しい滑りをする。


前滑走者の得点によって、演技構成を咄嗟に変更したり、小さなミスを大きなミスにまで破綻させないフォローの上手さというところも共通している。


これは偶然似たというよりは、荒川が金を獲得したプロセスをアメリカやカナダが研究し、そのスタイルでヨナが訓練したから似ているのではないかという気がする。


似たスケーティングスタイルである荒川が、トリノで金を取った時の得点は191.34。
高難易度な技は外して、ノーミスで綺麗に滑ることに専念した場合の得点は、このぐらいが妥当というか上限値なのではないかと思える。


トリノでの荒川と比べて、今のヨナの方がより美しくて完成度が高いとしても、228.56と35点以上点数が高いというのはやはり不自然だろう。荒川は3回転-3回転のダブルを、3回転-2回転に構成を落としたとは言っても、こちらもパーフェクト演技だったのだから。




高難易度のジャンプをしない選手が金メダルになることについて、プルシェンコというかロシアが強烈に批判し、次の五輪会場がロシアのソチという背景があるので、今後のフィギュアはルール改正するか、改正まで行かなくとも採点基準の空気が変わる可能性は高い。


そうなった場合は、真央は点が伸びるが、ヨナは今まで世界記録級の得点だったのが、急に180点ぐらいしか取れなくなってしまう可能性が高い。


世界記録の選手が、180点程度でまったくメダルに絡めないのではいかにも無様なので、そうなる前に引退して、無傷で記録だけ残すという選択肢は妥当な気がする。

フィギュアの選手って細く見えてもスゴイ筋肉だからきっとプライベートジム 比較にならないくらいキツイトレーニングをしているんだろうな。


ヨナの現役は今年限りの可能性が8割ぐらいだろうか。
あの美しい滑りが見られなくなり、真央とのライバル対決もなくなってしまうのは実に残念だ。



フィギュア採点の傾向に変化